【子供と釣り】2018年8月 川遊びで釣ったカジカを料理してみた 冷酒に合うカジカの空揚げ
プロローグ
猛暑の日曜日、我が家の夏の定番となっている川遊びに行ってきました。
この日はのんびりしすぎて現地到着がお昼過ぎとなり、いつもの川遊び場は満車で入れませんでした。
止むを得ずさらに上流へ。何とか駐車場が空いている川遊び場を見つけ、そこで遊ぶことにしました。
このスポットは川が浅く、小さな子供を遊ばせるのには良さそうでしたが、飛び込みスポットがないようです。
飛び込みを楽しみにしていた上の子はあからさまにがっかりしていました。
川に入っている人の数もかなり多く、「あんま釣り」も周りの迷惑になりそうです。
子供たちはつまらなそうに箱メガネで水中を覗いていましたが、突然上の子が、「カジカがたくさんいる!」と叫びました。
確かにいるでしょうが、この川にそんなにたくさんいるとは思えません。
しかし、子供たちが釣りたいというので、いつもの「カジカの見釣り」用のタックルを準備し、子供たちに渡します。
すると、子供たちは本当に相次いでカジカを釣り上げました。
しかし、私はこの時点では、「たくさんいるって言ってるけどせいぜいもう2~3匹くらいだろうな~」と思っていました。
しかし、子供たちは完全にスイッチが入ったようで、飽きもせずに小一時間ほど川底探索を続け、結果として二人合わせて12匹のカジカを釣り上げました。
この川ではかなり驚きの好釣果でしたので、持ち帰って調理することにしました。
カジカの「空揚げ」
帰宅後、まずはレシピ探しに取り掛かりました。
書棚に眠っていた月間誌「釣り人」(2015年11月号)を引っ張り出してページをめくり、ようやく埼玉県入間市の川魚料理店「郷土料理ともん」さんのレシピの掲載ページを見つけました。
記事では、美しく彩られた魅力的なメニューが数多く紹介されていましたが、そのほとんどはプロの技を感じさせる逸品で、思い付きで真似するには敷居が高そうなものばかりでした。
結局、紹介されていた料理の中では一番簡単そうな「空揚げ」を作ることにしました。
まずは下処理です。
カジカはヌメリが多い魚ですので、つい水洗いしたくなるのですが、美味しく味わうためには水洗いしないほうがいいようです。
そういえば過去、イワナの刺身を作る際も、水洗いしないのが美味しく食べる秘訣というようなことが釣り雑誌に書いてあったような気がします。
そのため、ヌメリは乾いたタオルで1匹ずつ丁寧に拭き取ります。
自分としてはかなり水の綺麗な川で採取したという認識ですし、魚臭さはほとんど感じないのですが、このタオルの今後の用途はさすがに外回りの掃除用ということになりそうです。
記事によると、カジカは下処理をせずとも食べられるそうです。ワタを出さずに生かした状態で持ち帰り、そのまま調理したほうが美味いという人も少なくないとのこと。ホントかな?
私にはさすがにそれを試す勇気はないので、ワタは取り出します。
手順は以下の通りです。
①肛門のあたりから包丁を入れ、鰓のあたりまで開く
②包丁の切っ先でワタを掻きだし、魚体から切り離す
③キッチンペーパーで丁寧に内側を拭き、水気を取る
そして、片栗粉の入ったボウルにカジカを投入し、体表によくまぶします。
小麦粉よりも片栗粉のほうがカリッと仕上がるそうです。
サラダ油を天ぷら鍋に半分ほど投入し、ガスコンロの油温センサー?を180℃にセットします。
揚げ物を美味しく揚げるには油の量をケチってはいけませんが、油断していると調理後の油の処理に困ることになります。
スムーズな後片付けのため、固めるテンプルもあらかじめ用意します。
ピピッとセンサーが反応したら、揚げ始めます。
揚げ油にカジカを投入すると、最初は大きい泡が立ちますが、水分が抜けてくると泡が小さくなってきます。
カジカの中骨は硬いので、一度揚げたら油をよく切り、二度揚げします。良型はさらにもう一度揚げて三度揚げ。
こうすることによって頭から丸かじりで骨まで美味しくいただけるとのこと。
慣れない手つきでどうにか12匹の揚げを完了。
次に盛り付けです。
以前、料理好きな会社の上司と居酒屋に行った時に教わったのですが、料理に、赤、黄、緑の食材を添えると見栄えが良くなるそうです。
多分、料理好きな方々に言わせれば知ってて当然の知識なのでしょうが、私はその時に注文した料理の盛り付けを見て、なるほどと納得しました。
そのため、今回の盛り付けはそこを意識し、レモンと大葉を添えます。
・・・赤を忘れていました。空揚げを無理やり赤に見立てるしかありません。
最後に塩を振り掛けて完成。
日本酒は、夏に合う涼やかなブルーのラベルの冷酒「吉乃川 雪中貯蔵酒」を用意します。
盃に注いだ酒には、知人からお土産に頂いた食用金箔を浮かべます。
酒の上を漂う金箔に、なぜか美を感じます。
きりっと冷えた日本酒の盃をあおりつつ、カジカの滋味を堪能するという贅沢。
憑りつかれそうです。
我が家では仕入れを子供に頑張ってもらうしかないのが難点ですが・・・。
エピローグ
近年、カジカの個体数は減少しているようで、乱獲は厳に慎まねばと心しています(我が家はもともとそんなに釣れないので、そこまでの心構えは不要かもしれませんが…)。
一方で、カジカが商業ベースに乗ることはほぼないだろうと思われるため、食せんと欲すれば、獲るのが最も近道です。
私は、酒の肴に滋味をいただく欲求が今後も抑えきれないような気がします。
ところで、楽しみで魚を釣って絞めて食べる行為は、仏教的にはアウトだとスマナサーラ長老の本で読んだことがあります。
しかし、仏教でいうところの輪廻転生があるとすれば、自分の来世は釣り上げられる魚かな~などと考えつつ、多分体が言うことを聞く限りは、釣りと釣魚料理はやめられないような気がします。
(おわり)