【電車釣行】2021年9月 上越線で行く 新潟県・毛渡沢でテンカラ釣りと鉄道撮影
プロローグ
昨年、資産運用の一環として、新型コロナウイルス収束後の旅行需要回復に期待しJR東日本の株式を100株購入していました。
しかしながら、未だコロナの猛威が収まる気配はなく、株価は期待ほどには上昇していない状況。
また、お目当ての1つでもあった株主優待割引券も、度重なる緊急事態宣言の発出・延長により使いそびれていました。
そして今般、19都道府県で9月末までの宣言延長が決定しました。自分の住むエリアも含まれています。
やはり後ろめたさは感じつつも、渓流に行きたいという欲求に抗うことは出来ませんでした。
渓流釣りをやる人間にとって9月末以降は概ね「禁漁」になることと、JR東日本の株主優待券の有効期限が迫っていることを言い訳に単独での電車釣行を決行。
株主優待割引券を利用して購入した往路の乗車券は正規運賃の4割引です。
毛渡沢の釣り
高崎駅から水上駅を経由して土樽駅を目指します。
図書館で借りた宮本輝さんの初期の自伝的エッセイ集「新装版 命の器」(宮本輝 著/講談社文庫/2005年)を読みつつ眺める上越線の車窓に大いに旅情をそそられます。
平日にも関わらず乗客はかなり多い印象。「日本一のモグラ駅」として名高い土合駅で降りる方々が大勢いらっしゃいました。駅に併設されたグランピング施設「DOAI VILLAGE」のお客さまでしょうか?
8時45分。車内にはまだかなり多くの乗客を残しつつ土樽駅に到着。しかし、こちらで降りたのは私一人でした。
土樽駅は無人駅で、待合室に飲料の自動販売機があるのみ。
また、駅周辺に商店や民家は皆無のため、当該エリアへの電車釣行の場合、当日に日釣り券を調達するのが極めて難しいです。
そのため、前日に遊漁券Web販売サービス「つりチケ」を利用して、管轄漁協である魚沼漁協の日釣り券を準備しておきました。料金は2150円。支払いは登録したクレジットカードで行います。本当に便利な時代になりました。
今回は毛渡沢橋梁を通過する上越線を撮影する目的もあります。
撮影予定の列車は12時29分土樽発の上り列車で、発車時刻の1~2分前に橋梁を通過すると予想されるので、あまり上流へ行くことは出来ません。
前回の毛渡沢釣行ではバッキガ平まで行きましたが、今回は30分ほど遡行しての探釣に留める事にしました。
青く澄んだ美渓である毛渡沢は、その透明度の高さ故か、私にとっては必ずしも釣りやすいと思えるフィールドではありません。
しかし、周囲の景観まで含めた美しさは抜群で、毎年一度は訪れてその空間に身を置きたいと思っています。
新調したテンカラ竿「パックテンカラZW31-34」で初めての獲物を手中に収めるのが目標ですが、ある程度予想していた通り大苦戦の展開。
シマノ(SHIMANO) ロッド 渓流竿 パック テンカラ ZW 31-34 ショートテンカラ竿 カバンに収まるコンパクト設計あっと言う間に時間は過ぎ、毛渡沢橋梁に戻るべき時間が近づいて来ました。
やむを得ず一旦納竿して林道に上がり、橋梁に向けて戻っていくと、毛渡沢に流入する小沢にかかる橋の下の水たまりに魚らしき影を発見。
慌てて仕掛けをセットし、毛バリを水面に落とすと・・・。
意外なほどの好反応であっさりと毛バリを咥えてくれました。
慎重にアワセを決め、首尾良くフッキング。
上がってきたのは、15㎝ほどの腹の黄色いイワナでした。
パックテンカラの初釣果に胸を撫でおろしつつ、魚体をなるべく弱らせないように水たまりに横たえて記念撮影、その後速やかにリリースしました。
鉄道撮影(毛渡沢橋梁)
気を良くして撮影ポイントへ。
7月の奥只見釣行時の水没から奇跡的に復活したビデオカメラを、持ち運びに便利なコンパクト三脚にセットして待ち構えます。
のんびりとお菓子をついばんでいましたが、突如、今しがた下ってきた林道から、大型の犬がけたたましく吠えながら私に向かって突進してきました。そして、私と1mほどの距離を保ちながら私に向かって吠え続けています。
後から飼い主の若い女性が歩いてきたため飼い犬だと分かりましたが、リードなしの大型犬に吠えられるのはなかなかのスリルです・・・。
女性は自分の飼い犬に「あいさつは1回だけだよ」と声をかけ、犬を従えて爽やかに去っていきましたが、私にはとてもあいさつしているようには思えませんでした。
熊ではなくて犬に襲われそうになるとは全く想定していませんでした・・・。
気を取り直して待っていると、背後からガタゴトと列車の走行音が聞こえ、想定した時間通りに上りの上越線がやって来ました。
そして、特に速度を落とすでもなく呆気なく通過して行きましたが、無事にその姿をカメラに収めることが出来ました。
ペペロンチーノと白ワイン
曲がりなりにも目標が達成できたので、魚野川と毛渡沢の出合付近まで下って昼食をとることにしました。
周囲には食堂の類は皆無なので、食材と調理器具(コッフェルとメスティン)を持参し、河原でペペロンチーノを作ります。
コッフェルに湯を沸かし、半分に折ったパスタを投入、6分間茹でます。
茹で汁はスープおよび貴重な水分として活用するためペットボトルで保存しておきます。
その後、フライパン代わりのメスティンで乾燥ニンニクと鷹の爪をオリーブオイルで熱し、ソースを作ります。
メスティンの中でパスタとソース、少量の茹で汁を混ぜ合わせて出来上がり。見た目はなかなか美味しそうです。
trangia(トランギア) メスティン TR-210 【日本正規品】高崎駅で購入しておいた白ワインとともにいただく算段ですが、肝心の味のほうは・・・。
めちゃくちゃうすい・・・。
(当日の釣行の様子を動画にしていますのでよろしければご覧ください👇)
(渓の翁・瀬畑雄三氏とテンカラ大王・石垣尚男先生出演の「TENKARA」はテンカラファンにとって一見の価値ありです👇)
エピローグ
15時24分土樽発の上越線で帰宅の途に就く予定です。
河原で着替え等を済ませ、15時ごろに土樽駅に到着すると、待合室には登山帰りと思われるお客さまが既に3人いらっしゃいました。
行きの列車で土樽駅に降りたのは私一人だったので、どこかで山泊りをしていたのでしょうか?
私も出来ることなら1度くらい渓泊まりをしてみたいと思いますが、現状はスキルが未熟なので、実現はいつになるかな・・・。
(おわり)