【子供と釣り】2020年6月 遊水池で子供と旬のテナガエビ釣り
プロローグ
先週の渓流電車釣行はとても楽しかったものの、下の子は私と一緒に行きたかったようで、連れて行ってもらえなかったことに少し不満げでした。
しかし、渓流エリアに小学生を連れて電車での釣り旅をするのはかなり難易度が高そうです。そこで、機嫌を直してもらおうと、梅雨時に旬を迎えるテナガエビ釣りに連れていくことに。
テナガエビは、北海道と沖縄を除く日本全国の湖沼や川の中・下流部に広く分布しています。
釣りのターゲットとしてはとても手軽で、小学生くらいの子供でも簡単に釣り上げることが出来ます。
しかし、侮るなかれその歴史は古く、江戸時代から親しまれている伝統ある釣りでもあります。
また、その食味は大変に美味で、居酒屋で提供される川エビの唐揚げはこのテナガエビなのだそうです。
今回訪れたポイントはとある公園の遊水池。
たまにランニングコースとして通過することがある場所で、先日釣り人のヒットシーンを目撃し、釣れるであろうことは既にチェック済みです。
今回は獲物を活かして持ち帰り、夕餉の酒肴として調理する目論みですので、持ち帰り用の蓋付きバケツとエアーポンプが欠かせません。
荷物を車に積み込み、目的地の公園を目指します。
テナガエビ釣り
テナガエビは本来夜行性ですので、朝夕のまずめ時に狙うのがセオリーですが、子供連れでまづめ時にフィールドに立つのは容易ではありません。
しかし、日中でも曇りや小雨の日にはそれなりに釣果が期待出来ます。
当日は11:00頃に現地到着しましたが、空はおあつらえ向きの曇天です。
遊水池では、既に数人が明らかにテナガエビ狙いの短竿で釣りに興じていました。
こちらでは、他にヘラブナやマブナ、鯉なども釣れるようです。
また、足場がとても良いので、池の端にワンタッチ式の簡易テントを張って釣り遊びを楽しむファミリーの姿もありました。
岸辺にはトンボが舞い、水面をアメンボが滑る牧歌的な風景は、都市部のオアシスといった趣です。
遊水池の飛び石を渡って行くと、水面から杭が出ている有望なポイントが1つ空いていたので、そこに釣り座を構えます。
今回使用した竿は1.8mの小物用延べ竿で、仕舞寸法は39.5㎝とコンパクトなので持ち運びに便利です。
この竿にミチイトを連結し、ゴム管を通して小さな玉ウキを取り付け、道糸の先端に自動ハリス止めを結び付けます。
そこに、ハリスの長さを5㎝ほどに調節したハリス付きの袖バリ1号を取り付けます。
さらに、自動ハリス止めの上部にオモリを取り付けて、ウキのアタマが水面スレスレに沈むように調節します。
この時、板オモリを使用すると微調整をスムーズに行うことが出来ます。
エサは、ミミズや赤虫がポピュラーかと思います。
しかし、私は若干活き餌が苦手で、またこれらの活き餌は我が家から釣具店が遠いために入手しづらく保存も難しいので、今回は代用として近所のスーパーで購入した豚の小間切れ肉を使用することに。
豚の小間切れ肉は活き餌より安価で保存も楽なので、釣れることが確認出来れば利用機会は多くなりそうです。
仕掛けが準備出来たので、ハリにエサの豚肉を取り付けます。
ごく少量をちぎって取り付けるのですが、はじめは豚肉の水分量が多く取り付けづらいと感じます。少しの間天日に干しておくと、水分が抜けて取り付けやすくなります。
ハリにエサを通したら、ハリの先を少し出しておくのが釣果アップのコツです。
準備が出来たので釣りスタート。と言っても、竿を握るのは子供で私はエサ付けとハリ外しの係ですが。
白い杭の近くに仕掛けを投入すると、さっそくアタリがあります。
テナガエビの典型的なアタリはだいたい次のような感じです。
はじめにウキがぴょこぴょこと上下に動きます。これは、テナガエビがエサを挟んだときに出る動きです。ここではまだアワせません。
次いで、すーっと斜めに動いたり、さらに深く沈んだりします。これは、エビが自分の棲み家にエサを運んでいるシグナルですが、アワセのタイミングはここでもありません。
この後、ウキの動きが止まり、やや沈んだままになっていたり、不自然に浮き上がったままの状態になっていたら、それはエビがエサを口に運んでいるシグナルです。
このタイミングでアワせますが、魚を釣る時のような明確なアワセは必要ありません。
竿を静かに上げながらゆっくりと引いてくると、ようやく異変に気付いたテナガエビはあわてて尻尾でぴょんと後ろに跳ね、向こうアワセでハリに掛かってくれます。
以上の要領で首尾良くまずまずの型のテナガエビを釣り上げた子供はとても得意気です。また、豚の小間切れ肉も効果はてきめんだったようです。
さて、ここからがまた私の出番で、エビの口に掛かったハリを外す作業が待っています。
こちらのエビは体長10㎝ほどで大型ではないものの、ロングアームの先のハサミで挟まれるとやはり少し痛いです。
ハリを外そうとする私の指を執拗に攻撃してきますが、これには少し辟易します。
ハリ外し用のフォーセップは本来必需品なのですが、迂闊にも持参するのを忘れてしまい、チクチクする痛みに耐えながら作業をするはめに。
私の悪戦苦闘をよそに、子供はすっかりテナガエビ釣りにハマったようで、2時間ほど没頭し、7匹の釣果がありました。
持ち帰って調理する場合は、泥抜きをするため必ず生かして持ち帰ります。
テナガエビの唐揚げ
夕餉の酒肴とするため、持ち帰ったテナガエビを水道水を張ったプラスチックの水槽に入れ、6時間ほど泥抜きをしました。
泥抜きの手順は通常、「半日ごとに水を替え、水槽の底にエビが吐き出す細かなカスや泥がほぼ無くなるまで行う」です。
今回は、遊水池の水質が相対的に良いのかはたまたエビが十分にエサを食べていないのか、あまりカスや泥が出ませんでした。
ちなみに、以前に某大河川の下流部で大型のテナガエビを釣り上げて持ち帰ったことがあり、その川の水がお世辞にも綺麗と言えなかったので2日ほど泥抜きをしましたが、たくさん泥が出るものだなと感心した記憶があります。
泥抜きが出来たところで、さっそく調理に入ります。
まずは同じくらいの大きさのボウルとザルを用意します。
テナガエビをザルに入れ、流水で洗います。
ボウルにエビがしっかり浸かるくらいの料理酒を入れ、酒締めにします。
この時、エビが飛び出さないように、ボウルにザルを被せます。
酒締めが完了したら、再度流水で洗い、キッチンペーパーで水気をよく拭き取ります。
次に、片栗粉を入れたビニール袋にテナガエビを投入し、まんべんなく衣付けをします。10匹程度で小さじ1が目安です。
サラダ油を、魚介類を揚げる適温である170~180℃に熱します。
一度に揚げる量は油の表面が半分埋まるくらいが適量です。
勢いよく出ていた大きな泡が小さくなったら出来上がりです。取り出す際には、しっかりと余分な油を切ります。
エピローグ
テナガエビの唐揚げは、すっかり定着した宅飲みの酒肴として秀逸です。また、サクッとした食感はスナック菓子のようでもあり、子供にも好評でした。
釣ってよし、食べてよしの旬のテナガエビの魅力を再確認することが出来たという満足感に浸りつつ、焼酎のロックがすすみます。
旬は短いので、また近々出漁したいなと思っています。
(おわり)