【子供と釣り】2018年4月 西伊豆でファミリーフィッシングと海の幸を楽しむ旅
ここしばらく私が休日ぐったりで遠出していませんでしたが、春の陽気と共に体力・気力が回復して来ましたので、久しぶりに家族旅行するかということになりました。
我が家の旅の傾向について
私は渓流釣りがいちばん好きなので旅行は山旅がいいのですが、まだ子供たちが沢歩きを出来る年齢になっていないので、家族旅行のメニューに渓流釣りを入れることが出来ません。
また、嫁は釣りに全く興味がなく、かつ料理は山の幸より海の幸がいいと言います。そこで、家族の希望の最大公約数として、家族旅行はだいたい海の釣り旅になります。
これまで、海釣りでは内房・南房の漁港や東京湾奥の海釣り公園へ行くことが多かったのですが、ファミリーフィッシングに便利な車横付け可能あるいは駐車場がごく近い場所にある漁港は割と混んでいて、釣り座の確保に苦労します。
海釣り公園に至っては開場前からかなり多くの人が並んでいて好位置の確保は望めず、地理的なハンデを痛感します。
海釣りにおいては、良い釣り座の確保が最も重要な要素になると思うのですが、本格的に海釣りをされているベテランの方や、週末仕事帰り即出発も可能な体力ある若者との釣り座確保競争に勝てるはずもなく、ほとんどの釣行において、どうにか空いている堤防の隅っこのほうで遊んでいるという状況です。
自家用車はミニバンを使ってますが、一時期、高速のSAで車中泊をして翌朝早くに釣り場にアクセスすればいいのではないかと思い立ち、矢崎化工という会社のイレクターパイプという部材と、コンパネおよびフェイクレザーを使用し、車内用のオリジナル組立式簡易ベッドを作って、実際に車中泊したことがありました。
しかし、私の設計力不足が原因で、現場での組み立てに時間がかかったり、ベッドのクッション性が著しく不足していたため寝心地が悪いなどという点を嫁に酷評され、我が家の初めての車中泊は完全に失敗に終わりました。
ちなみに、イレクターパイプは加工が容易な非常に優れた部材で、当時の車中泊に用いた部材は現在、車内最後方の荷台および我が家の本棚に変身して活躍しています。
車中泊の失敗以降、我が家が海釣りに行くときの標準スケジュールは、だいたい朝3時自宅発になりました。
あらかじめ車の後部座席二列目のキャプテンシートを目いっぱいリクライニングさせてキャンプ用の薄い寝袋を敷き、座席の足元には足を伸ばせるようクーラーボックスを置きます。
そして、出発直前に眠ったままの子供たちを車の後部座席に運び入れて寝袋の中に入れ、そのまま出発します。
後部座席二列目はフルフラットにはなりませんので大人はとても熟睡できないと思いますが、子供たちの睡眠には特に問題はないようです。
子供たちにとっても、自分が夢から覚めるころには釣り場に到着しているので退屈することがなく、このパターンを気に入ってくれているようです。
こちらとしても車内でギャーギャー騒がれないので、多少眠いですがとても心安らかに運転できます。
今回は、幸運にも海の幸が美味しいと評判の漁師宿の予約が取れたので、泊りがけで、私自身初めてとなる西伊豆への釣り旅をすることになりました。とても楽しみです。
1日目
今回は泊りなのであまり急ぐ必要もなかったのかもしれませんが、首都高速から東名高速へアクセスするコースをほとんど使ったことがないので、都内の交通渋滞を警戒して、いつもどおり午前3時に出発しました。
途中休憩を挟みながら車を走らせ、渋滞に巻き込まれることもなく午前6時ごろ東名高速を降ります。
目的地まではであと2時間弱かかりそうですが、ようやく後部座席の子供たちが起きてきました。
いつもと同じ感覚なのでしょう、起きるなり「もう着いた?」と言われたのにはイラッとしてしまいましたが。
今回の目的地は西伊豆の雲見温泉です。
雲見温泉は嫁の友人からの口コミで知りました。宿のすぐ近くが、雲見港という漁港で、そこで釣りが出来るとのことでした。
東名高速を降り、海岸線を沿うように国道136号線を走ります。
途中、心惹かれる漁港をいくつもスルーしつつ進むと、最近、船が沈んでしまったとニュースになっていた若大将のミュージアムがありました。
とすると沈んだのはこの辺りの港なんだな~と思いながらさらに車を走らせると、程なくして目的地に到着しました。時間は午前8時前でした。
ちょこちょこ寄り道したけど、5時間近くかかったのでやっぱり少し遠いかな~。
よく晴れた日には富士山の絶景を眺めながらのんびり釣りが出来るとの触れ込みの雲見港です。
子供たちより私のほうがテンションマックスで車を降りました。すると、思ったよりかなり海からの風が強く、波がうねっています。
わざわざ釣具店キャスティングの釣り書籍コーナーで「空撮 伊豆半島釣り場ガイド 駿河湾エリアの釣り場232」(コスミック出版)を買って予習していた場所は、思いっきり波をかぶっています。
うかつなことをしたら波にさらわれて夜のニュースになりかねません。
当然釣り人は一人もいませんでした(もともと西伊豆はダイビングスポットだそうで、ここまで来て港の堤防で釣りをする人はあまりいないみたいですが・・・)。
ここは撤収です。風は多分西から吹いていると思うのですが、なにぶん西伊豆ですから、本でチェックする近隣の港はどこも西風の影響を受けそうに見えます。
やむをえず、雲見到着前に釣り人らしき人が数人いたのを横目で確認していた、雲見の少し手前の石部港の堤防に行ってみることにしました。
石部港に着くと、港の入口すぐの公衆トイレ脇に車が3台ほど止められるスペースがあり、1台分空いていたのでそこに駐車しました。
トイレは漁港としては割とキレイめで、女性やファミリーでも不自由はしなそうです。
空撮本では港の入口先の広めのスペースが有料駐車場とのことでしたので、みなさん駐車料金徴収されないように端っこに止めてるのかな。まあこの時期はその心配はなさそうですが。
風はかなり強いですが、港外側の堤防は高さがあり、波にさらわれる危険はそれほどなさそうです。
堤防先端で釣りをしていた方々にご挨拶をしつつ状況を伺うと、小鯖の群れが回遊しているとのこと。
その方々は小鯖など眼中にない様子でしたが、こちらは子供に釣らせるのが第一のミッションですから、これはチャンスです。まあ釣り方もサビキとチョイ投げしか知りませんしね。
子供たちにフローティングベストを着せて釣り開始です。釣り方はもちろんファミリー定番のサビキ釣り。ハゲ皮の白いサビキ針を海中に投入するとすぐにアタリがきます。
お話いただいた状況の通り、小鯖が湧いていました。持参したコマセを撒くまでもない入れ食い状態です。
私は竿を握る暇などなく、子供たちの針にかかった小鯖を外しては締め、外しては締め・・・。これではきりがないなと思っていましたが、30分もたたないうちに風がさらに強くなり、子供たちはさっさと車に撤収。ちなみに嫁は最初から車待機。絶対寝てるな・・・。
堤防に一人残った私は、せっかくのチャンスだからと、仕掛けをチョイ投げに切り替え、アオイソメをエサに一人釣り始めました。
風がなければ最高のシチュエーションですが、同時に風がなければ起こることのなかったシチュエーションです。幸運にもすぐにアタリがあり、まずまずの型のカワハギを釣り上げることが出来ました。
しかし、そのあとさらに風が強くなり、大人でも油断すると海に落ちかねないレベルにまで吹き荒れてきたため、私も心が折れて撤収。この日の釣りはこれにて終了となり、この後は今後の釣行に向けての漁港偵察ドライブになるのでした。
「漁師の宿 えびす屋」さん泊!
この日の宿には15時ごろのチェックインとなりました。
この日お世話になるのは、海の幸が美味しいと評判の「漁師の宿 えびす屋」さんです。
二階の奥の広いお部屋に通していただきましたが、年月を感じさせる外観とは裏腹に、お部屋はリフォームしたばかりのようで、きれいな畳にきれいなトイレでとても快適です。
目の前に食料品店があり、そこでビールと日本酒を購入しました。部屋に持ち帰ってさっそく一杯やります。まさに至福のひと時です。
一段落した後にお風呂に入ります。小さいながらもきれいな岩風呂が二つ。とても気持ちが良いです。
料理は部屋まで運んできていただいたものを自分たちで配膳するシステムですが、絶品の味と十分な量でこれまた大満足。
全くの余談ですが、一つだけ困ったのが、夜中にはさらに風が強くなり、どこからか花粉が侵入しているのか、くしゃみと鼻水が止まらなくなったことです。
油断して花粉症の薬飲まなかった私が悪いんですけど、これには参りました。これさえなければ春は一番好きな季節なんですが・・・。
最近の朧月夜は黄砂やPM2.5が原因の一つと聞いたことがありますが、私にとっては花粉が原因じゃないかと思える今宵のそれなのでした。
2日目
翌日、朝食前に嫁と散歩。よく晴れていますが、昨日ほどではないものの風はまだかなり強い状況です。今日も釣り場探しにはかなり苦労しそうです。雲見港の向こうに富士山がそびえる絶景を楽しむ釣りは今回はお預けとなりそうです。
帰りの渋滞も心配なので、朝食後早々にチェックアウト。
料金はなんと家族全員で26900円(入湯税大人2名分300円込)です。コスパも最高レベルで是非またお世話になりたい宿でした。
帰路、車を走らせつつ港に釣り人がいないかチェック。
すると、今日は若大将のミュージアム近くの安良里港で釣り人らしき人の姿を発見しました。
港の駐車場に車を止め空撮本をチェックすると、四方を囲まれた地形の安良里港は「どの風向きでも湾内は静か」とありました。
車を降りてみると、確かに風があまり気になりません。今日はここがよさそうです。
係留されている船の間の広めのスペースに釣り座を構え、子供たちに竿を持たせてさっそくサビキ釣りスタート。
昨日は使わなかったコマセを撒くとここでも小鯖が寄ってきます。
ただ、昨日と違ってハゲ皮の白いサビキ針を食いません。
10分ほど経ったころ、子供たちからの「釣れないよ~」との訴えがあったため、仕掛けをトリックサビキにし、小さめの針を使用したところ、釣れ始めました。
ここでも私は魚を針から外して締める係です。そろそろ子供たちにやらせないとな。
途中、地元の方でしょうか、通りかかった方に話しかけていただき、釣り座の対岸の造船所付近のオイルフェンスを指さしながら「ニュース知ってるだろ、あそこに若大将の船が沈んでるんだよ」と教えていただきました。
確かに対岸の道から数人、海を覗いているのが見えました。今回のことは痛ましいことではありますが、この風光明媚な安良里に魅せられるのは納得だなと思いました。
さて、小鯖を釣りすぎても食べきれないので、昨日と合わせて30匹ほどの釣果で終了させました。
その後はブラクリにアオイソメを付けて堤防の際を探る釣りにチェンジしてもらいましたが、かかるのは30センチを超えるフグばかり。
引き味は抜群のようで、子供たちはそれなりに楽しんでましたが、同じフグが何度も食ってきてるんじゃないかなぁ。
午前11時ごろ撤収し、安良里港からほど近くのドライブイン「宝市場 ちゃちゃら亭」さんで昼食を取りました。
私は海鮮丼をオーダーしたのですが、これまたとても美味しい!西伊豆最高!って思いました。
後ろ髪引かれつつ帰路につきました。
旅行における我が家の強みは、嫁も運転可能だということです。朝から子供たちの殿様釣りのサポートでくたびれ果てた私に代わり、車内で仮眠し休養十分の嫁が運転。
首都高を避け、最近全面開通した圏央道を利用して帰宅。渋滞に巻き込まれることもなく、午後7時ごろの帰宅となりました。
着地もきれいに決まり、大満足の家族旅行でした。
ちなみに釣魚料理は私の担当で、釣った小鯖はクックパッドのレシピを参考に「揚げ小鯖のさっぱり酢醤油漬け」に、カワハギは「オーソドックスな煮物」になりました。
嫁の評価は、「どこがさっぱりよ!味濃すぎ!」
(おわり)