【電車釣行】2018年11月 単独釣行 内房上総湊港で小物釣り&野外クッキング
プロローグ
11月11日。お隣の中国では「独身の日」という記念日(のようなもの?)で、消費者が自分に贈り物をするんだそうです。
「独身の日」は、1990年代に中国の大学生たちの間で「恋人のいない若者たちが自分を祝う日」として広まったそうです。そこに、中国のアマゾンとでもいうべき「アリババ」というeコマースの会社が大規模なショッピングイベントへと発展させ、同国内を中心に定着しているようです。
また、このイベントは徐々に世界的な拡がりをみせているとのこと。
さて、我が家にとっての11月11日は、子供たちがサッカー練習のため引率の嫁ともども夕方までお留守。私は束の間の独身状態です。
そこで、中国のイベントにあやかり自分へのご褒美という考えが頭をよぎりました。
現在の自分への最大ご褒美のひとつは、自分のための釣りを自由に楽しむことです。
しかし、家に1台しかない車は嫁が子供の送迎に使います。
そこで、当日は電車で行ける内房の港への単独釣行をしようと思い立ちました。
内房には多くの港がありますが、この時は駅から程近い上総湊港が良さそうな気がしました。
さっそく交通費等の概算費用を計算してみると、通勤定期で賄える区間もあるので思ったよりリーズナブルです。
これは思い付きを実行しても良さそうです。
電車で単独釣行
早朝、まず東京駅に出ます。
AM6:52東京発君津行きの総武線快速に乗り換えます。さらに千葉駅で館山行きの内房線に乗り換えて1時間ほど揺られます。
車窓は徐々にのどかな風景に変わっていきます。
そして、いよいよ内房の穏やかな海を眺めると、程なく上総湊駅に到着します。AM9:00頃でした。
自動改札をSuicaで通り抜け、まずは国道127号線沿いのファミリーマートを目指します。
そこでランチ用のウインナーと水を購入後、徒歩10分ほどで目的地の上総湊港に到着しました。
港の近くには上総湊港海浜公園があります。
港内から徒歩ではやや遠いと感じますが、トイレは公園内に設置されています。ただし、あまりきれいではないようなので、気になる方はコンビニで済ませておいた方が良いかもしれません。
「独身の日」は、海上に広がる青い空に白い雲が漂う絶好の釣り日和です。ウルトラライトタックルのチョイ投げでハゼを狙いますが、爆釣ムードが漂っています。
港内の船舶入口のやや奥に釣り座を構え、AM9:40頃釣りスタート。
潮見表で君津の潮回りを参照します。当日は中潮で、AM12:41頃に干潮を迎えるようです。
潮回りによって魚の釣れ具合がどのように変わってくるのか、私は詳しく知りません。まあ、この時間あたりを遊びのリミットとすれば、夕方には自宅に帰れるでしょう。
今回の旅は急遽の思い付きで生エサが準備できなかったため、以前に予備エサとして購入していた「ガルプ!サンドワームイソメ」という人工エサを使ってチョイ投げをします。
しかし、1時間ほどキャストを繰り返したものの、期待に反し全く反応がありません・・・。
さっきまで釣れる気しかしていなかったのに、早くも意気消沈してしまいました。
機械のようにキャストを繰り返していたのと、早い時間に朝食を取っていたのとで、かなりお腹が空いてきました。
AM10:40頃、少し早いですが昼食の準備に取り掛かります。
今回、ランチはフィールドでの自炊をしようと目論んでいました。登山の山ごはんの要領です。
この思い付きは、私の読書習慣を通じて偶然出会った漫画「山と食欲と私」(バンチコミックス 信濃川日出雄)が影響しています。
私は読書を通じて世の中の気分を把握したいと思っているのですが、新刊書を何冊も買う余裕は全くありません。
ですので、窮余の策ではありますが、新聞の広告や書評をチェックして気になった新刊書を、片っ端から地元の図書館に貸出リクエストしておくという方法で読書しています。
これまでの経験では、余程変な本でなければ、だいたいは市で購入してくれるようです。
その中に、「生き物としての力を取り戻す50の自然体験」(カシオ計算機監修 株式会社Surface&Architecture編/オライリージャパン/2018年)という書籍がありました。
ナイフの使い方やブルーシートを使ったタープの張り方などを、その道の専門家の方が紹介するという構成になっていました(いい本だと思ったので後に購入しています)。
紹介されていたメソッドの中に、日比野鮎美さんという27歳の会社員の方による「季節を感じ 紅葉を食べてみよう」がありました。
その時はまず内容の方に興味が向かい、「紅葉の天ぷら美味しそうだな」とか「これくらいなら出来そうだな」とか考えていました。
紹介者の日比野鮎美さんはイラストで載っていましたが、私は最初、彼女は実在の人物で、漫画家かイラストレーターのような職業の人なのだろうなと思い込んでいました。
ふと、若いのにこの書籍でメソッドを紹介しているからにはきっとひとかどの人物に違いないとの思いが頭をもたげました。
そしてある日、いまや全能の神の如きグーグル先生に、この人物はどのような人物かについての教えを請うてみました。
この場合、教えを請う(検索する)ということは、自らの趣味嗜好に関する情報を提供するということなので、自分の属性をかなりの程度把握されているのだと思うとあまりいい気持ちはしません。しかし、先生は情報提供の報酬としてあっという間に答えを教えてくれるので、もはやこの便利さからは逃れられないのだという気もしています。
結果、日比野鮎美さんは実在の人物ではなく、「山と食欲と私」というアウトドア漫画の主人公で、その物語は8巻(検索日現在)を数え、累計発行部数は70万超、キャラクターがアウトドアメーカーとコラボしている架空の有名人だということを知りました。
知ってる人は当然のように知ってるんでしょうが、今まで私のアンテナには全く引っ掛かって来ませんでしたのでかなりびっくりしました。
リアル書店に寄ってみると、確かに彼女はいました。試しに1巻を買って読んでみたところ、とても美味しそうに山ごはんを食べる姿にハマってしまいました。
全巻揃えて読むだけでは飽き足らず、漫画に出てくるレシピをまとめた本も買いました。さらに掲載されていたレシピを実際に試してみたくなり、深型コッフェルまで買ってしまいました。
説明がずいぶん長くなりましたが、以上の経緯で、今日の自炊の運びとなりました。
試すレシピは、第1巻で紹介されていた「欲張りウインナー麺」です。行き掛けにファミマでウインナーを買ったのはこのためです。
作り方は非常に簡単で、コッフェルに湯を沸かし、麺を半分に割って投入、ウインナーと一緒に煮るだけです。
はっきり言って大したレシピではないのですが、それだけにフィールドで自炊した食事はそれだけでごちそうなのだと強く感じることが出来ます。山の頂上で食べたらきっとこれの何倍も美味しいのでしょう。
腹ごしらえ出来たところで再度釣り開始。しかし状況はあまり変わらず。粘っても好転する気が全くしません。
エピローグ
退くべき時はすぐに退くという判断も必要でしょう。
結果は出なかったものの、ノスタルジーすら感じさせる古い魚港の風景を眺めながら時間を過ごせたことには満足しました。干潮直前と思われるAM12:30頃に納竿。
帰りがけ、港内の奥で釣りをしていたファミリーのお父さんに挨拶しつつ、釣果を伺うと、ハゼが2匹釣れたとのことでした。
海なし県からはるばる遠征してボウズを食らった私からすると、2匹でも羨ましいです。本音を言えば、やっぱり釣りたかっな・・・。
(終わり)