【渓流釣り】群馬県みなかみ町 洗ノ沢釣行と温泉キャンプ

【渓流釣り】群馬県みなかみ町 洗ノ沢釣行と温泉キャンプ

【プロローグ】

昨年の忘年会でナカガワさんと今季3回の源流泊のスケジュールを擦り合わせ、待ちに待った今季初の源流泊!のはずでしたが、無情にも前日から全国的な雨模様…。

私たちは豪雨の中で源流泊をするほどの情熱とスキルは持ち合わせていないので、やむを得ず渓の宴は諦め、昨年もお世話になった湯ノ小屋温泉郷の湯元館さんをベースとするキャンプ釣行へと計画を変更しました。

【1日目】

源流泊とキャンプ釣行では制約条件に雲泥の差があります。

パッキングのシビアさから解放されてリュックにすべての荷物を格納する必要がなくなったため、缶ビール4本を60リットルのザックから取り出して小さめのソフトクーラーボックスに格納、ついでに保冷剤も入れて運搬することに。

また、沢タビも別途シューズケースに格納し、両手が塞がった状態でナカガワさんの待つT駅へ。

6:30頃駅を出発し、2時間半ほどのドライブでならまた湖に到着。

準備を整えた後、豊漁を祈念しつつ良い塩梅に冷えたビールで乾杯。

前回は登山道を利用して1087mのピーク付近から洗ノ沢へ向け重いザックを背負いつつ下降し、中々に大変な思いをしました。

しかし今回はキャンプ場泊のため、軽いアタックザックに昼食ほか必要な荷物のみ詰め込み、竿抜けしていると思われる洗ノ沢下流部のならまた湖バックウォーター~林道からの洗ノ沢入渓点までの短い区間を探ることに。

なるべく楽をしてそれなりの釣果を得ようとの目論見です。

斯くしてこの目論見は当たりました。

私はテンカラで2匹、エサで2匹の計4匹でしたが、ナカガワさんは毛鉤の持参を忘れるという痛恨のミスがあったものの、ブドウ虫のエサ釣りで良型2匹を含む8匹を手中に。

つまるところ2人合計で12匹という上出来の釣果。

私たちの食料計画では刺身サイズ2匹を含め岩魚8匹が目標だったので、小さいものから4匹をリリースし、予定通り8匹をキープすることが出来ました。

現地で魚のワタ抜きを済ませ、林道を戻って16:00ごろキャンプ場にチェックイン。

今回お世話になったキャンプ場「湯元館」さんの売りは、何と言っても一晩中入浴可能な露天風呂にあると思います。

湯元館さんの露天風呂

貸切状態のキャンプ場では、露天風呂に一番近いサイトに陣取り、大型のヘキサウィングタープを設営しました。

そのタープの下に各々寝室としてツェルトを張り、寝床は完成。

ちなみに、私はこれまでの源流釣行ではツェルトを使用せずに、タープの下でマットと寝袋のみで寝ていたのですが、今般のクマ被害の報道に触れて何となく怖くなり、あまり効果はないのかもしれませんが、空間の仕切りがあったほうが心理的には安心出来ると考え、ツェルトの設営に至った次第です。

まあ、万が一クマが出没したらツェルトの仕切りなど全く意味をなさないであろうことは百も承知ですが…

調理はナカガワさんに持参してもらった焚き火台で行いました。

天候は微かな降雨があるものの、頭上の木々が雨除けとなり、タープの外での焚き火に全く問題はありませんでした。

定番の刺身作りは私の担当です。

現地でワタ抜きをして血合いを除去したあと、大きな葉っぱに包んでキャンプ場に持ち込みましたが、特有のヌメリが取れていて大変捌き易かったです。

二人分にちょうど良い枚数の切り身が準備出来ました。

ナカガワさんは得意の岩魚ホイル焼き(持参したタマネギ&採取したタラの芽入り)とコゴミのお浸しを調理。

そして花形の岩魚の塩焼きもお任せしました。

ごはんは敢えて炊かず、ナカガワさんが各方面からもらってくるという渓には似つかわしくない高級日本酒を嗜みつつ、料理はつまみとしていただきました。

塩焼きも大変良い焼き加減で、頭から尻尾まで全て胃袋へ直行。

快適なキャンプ場で催す極上の宴を存分に楽しんで就寝。

ツェルトの中では、仕切りがあるという安心感からか、明日の良果に思いを馳せる間もなく眠ってしまったようです。

【2日目】

5:30起床。

朝食から荷物のパッキングまでをそつなくこなし、8:00には出撃する態勢が整いました。

ところが…。

ナカガワさんの愛車ベンツでまさかのキー閉じ込みが発生!

ただ、今時のクルマは鍵穴に物理的にキーを差し込むことは滅多になく、キー閉じ込みの際も通常であればスマートフォンから解錠可能な仕様になっています。

しかし、この日は事がうまく運びませんでした。

スマートフォンに表示されるメッセージは、「バッテリーの電圧が低下しているため解錠できません」というものでした。

こうしたクルマのトラブルの際、多くの人が真っ先に頭に思い浮かべるのがJAFさんの存在ではないでしょうか?

ご多分に漏れず私たちもそのような感覚でしたので、まずはJAFさんに解決を要請。

待つこと1時間半、ようやくJAFさんの担当の方が到着しました。

これで問題解決と安堵した私たちの予想は、見事に裏切られました。

担当の方は開口一番、「これは開きませんね。」

「鍵というものは開かないように出来ているので、抜け道があったら困るんです。」

それはそうだろうと思いつつも、そこを何とかするのがあなた方の仕事ではないのかと突っ込みたくなりましたが、不毛なのでそれを口走るのは止めました。

結局、本件ではJAFさんが全く役に立たなかったので、レッカー車でナカガワさんの自宅まで車を運ぶしかないかという流れになりかけましたが、ここでナカガワさんが電話連絡した損保の担当の方がまずは民間の鍵業者を手配させてくれとかなり強硬に主張するので渋々承諾。

屋外は思いのほか寒く、湯元館さんのご厚意で暖房の効いた休憩スペースで待たせていただくことに。

昼食のカップラーメンまで隣の宿の売店から買って来ていただくなど、大変お世話になりました。

さらに待つこと1時間半。

今度は民間の業者さんらしくとても愛想の良い30歳代後半~40歳代前半くらいと思われる男性がやって来ました。

聞けば桐生市からやって来たとのこと。

「鍵は開かないように作られている」とのJAFの担当の方の言葉が重くのしかかっていましたが、その方から発せられた言葉は意外なものでした。

「先週同じケースに対応しました。これは開くと思いますよ。」

その後、車を傷付けないよう作業箇所周辺に養生を施し、ドアノブの裏側にある鍵穴に細長い工具を差し込み、解錠の手掛かりを探っていきます。

その様子を、私たちは固唾を飲んで見守っていました。

その間僅か10分足らず、ついに待望の瞬間が訪れました!

「開きました!」

私たち二人はほぼ同時に「おぉ~!」と感嘆の声を上げ、惜しみない大拍手を送ります。

まるでマジシャンのショーを鑑賞しているような感覚でした。

あっさりと大仕事をやってのけたその鍵屋さんは、サクサクと事務手続きを済ませてあっという間に帰っていきました。

【エピローグ】

時刻は15時を過ぎ、もはや釣りをして帰ろうなどという気力は1ミリも残っていませんでしたので、お世話になった湯元館さんにお礼と再訪の誓いを述べ、意気消沈して帰路につきました。

しかし、開かずの扉をこじ開ける鍵屋さんの超絶技巧は滅多にお目にかかれるものではないことも事実。

その意味では大変良い経験をしたと素直に思えます。

ただ、あのスキルは使いどころを間違うわけにはいかないので、鍵屋さんには高い倫理観が求められるのだろうな~と思った次第です。

(おわり)